ある美容学校の教員と地域の専門学校の懇親会で同じテーブルになりました。

先生は最近募集の担当になられ非常に悩んでおられました。
状況を聞くと募集定員40人の美容科が3年連続で充足率40%、理容科は30人定員で充足率が17%弱。校舎の雨漏りを直すのにも業者を呼ぶかどうか思案するほどだと話されました。
「こんな募集状況では、それもありうるなあ〜」と思っていたら、突然この先生が「先生!募集について詳しく教えてくれませんか?
このままだと学校潰れてしまいます!」泣かんばかりの顔で真剣に訴えられました。 びっくりしましたが、看護学校進学予備校で講師をして、教えることに喜びを感じていた頃だったので、「まあ医療系と違うけれど基本は一緒なので真面目にコーチをしましょうか」と。
これが私のコンサルティング稼業の始まりでした。

それから、この先生の勤める美容学校に毎週木曜日(毎週木曜日に看護学校進学予備校の講義の帰りに立ち寄りやすかっただけの理由)に通うことになりました。
最初は、かなりびっくりしました。なにせ訪問リストもなければMapもない。
訪問履歴も入学実績も、データの収集らしきものといえば、交通費精算と車両運行管理票くらいのものでした。 時系列にひとつひとつの募集業務を最初は募集担当の先生だけに教えていましたが、1人また1人と他の先生方にも入ってもらい、毎週「募集塾」が開講されるようになりました。

教えることだらけで、毎週1時間のはずが、2時間、3時間となることもザラにありました。
教え方が上手かったのか、先生方が優秀だったのか、だんだんやらなければいけないことが浸透して、データ管理も進み、実績がぐんぐん出てきました。
最初の指標は月2回行われていたオープンキャンパスの来校者(いわゆる集客)の数でした。毎回5~8人程度の集客が、15~20人はコンスタントに来校するようになりました。
つぎの指標は、このオープンキャンパス来校者の志願率でした。これには、先生方の知恵とアイデアが盛りだくさん入って、あっというまに3年生対象で志願率が85%を超えていきました。
その翌年には、美容科の募集定員を40名から80名に増員しました。
看護学校や医療系の学校で実施してきた、入学前教育や、外部講師の評価システムなど、にもチャレンジしました。 この経験を軸に、学生募集のノウハウを収集、体系化していくつかの学校で実績を積み重ねてきました。

その結果として、独自で開発した確立されたノウハウの実践を行う「コンサルティングレシピ」を完成させ、独立開業後も、さらにノウハウの蓄積と結果の分析を積み上げてきました。

わたしたちは、「アイデンティティの浸透 」「募集力」「教育力」「指導力」「環境の充実 」の5つを学校経営のKSF(Key Success Factors=成功の重要素)と捉えています。

「学校改革に関する提案、助言、指導を行う」などという抽象的で曖昧模糊としたサービス提示や、誰かに習ったことを教えるトレーナーやインストラクターの類ではなく、5つのKSFに沿って独自に開発した「確立されたノウハウ」を「体系化されたオリジナルメニュー」で提供いたします。